野手のテキトーブログ

普段からテキトーに生きられれば僕たちは無敵だ

新卒で入社した会社にヒーローがいた話

こんばんは。野手です。

 

昨年の4月に新卒で某キッチンメーカーに入社しました。僕が赴任した営業所にはヒーローがいました。そんな話です。

よろしくお願いします。

 

名前を武藤といいます(仮名)。年齢は40歳。男性。既婚。設計図を作成する仕事をしていました(CADというやつ?)。

武藤さんはとにかく怒られていました。営業所長やお局様(おそらく50歳くらい)にとにかく怒られていました。毎日のように怒られていました。一度お局様に「あんた何年この仕事してんの!?」と尋常じゃないくらい怒鳴られていたこともありました。しかし武藤さんは怒られることを意に介さず、怒られた数秒後にはにやにやとできるとてもとても強い大人でした。僕と武藤さんはよく昼休みに全員分の昼食を買いに営業所近くのスーパーまで買い物に行っていたのですが、ある日昼休み直前に所長にしこたま怒られていた日がありました。怒られた直後に武藤さんと僕は昼食の買い出しに行くため営業所を出ました。営業所を出て二人きりになった瞬間「いや、俺もう帰りてぇわ!!」と叫んでいました。僕はそんな武藤さんの姿を見て死ぬほど笑いました。40歳のいい大人が目上の人に怒られて「帰りてぇ!!」と大声で叫んでいる姿が新鮮でとにかく笑ったことを鮮明に覚えています。怒られてもへこむことなくすぐにふざけることのできる大人はまじでかっこいい。

 

武藤さんはとにかく優しい。社会人になって間もない不安だらけの僕にすごく優しくしてくれた。僕は麻雀が好きなんですけど武藤さんは麻雀の話をよく僕に振ってくれた。

とある日の昼休み(武藤さんはこの日の午前中もシバかれていた)

武「午後からもがんばろうな!立直一発や!」

野「立直一発自摸ですね!」

武「武藤さん裏ドラ乗るかもww(さらに怒られるかもという表現)」

という会話をした。すごく笑った。

会話の続き

野「まあ僕は研修で習ったことを復習してノートに書いてるだけなのでがんばることなんてないんですけどねー」

武「流局やな」

野「この営業所来てからずっと流局してますわ!」と言ったらめちゃ笑ってくれた。僕が麻雀好きと言ったために麻雀に関連付けして話しかけてくれるだけでなく、すごく笑ってくれる人だった。くそかっこいい。

 

そして、武藤さんのことを一番好きになった出来事。

仕事中は基本的にはいつでもタバコを吸ってもいいルールなのだが、僕は新入社員ということで所長から「しばらくの間、タバコは昼休みだけにしておけ」と言われていた。(新入社員とタバコ関係ねぇだろ、吸わせろや)と思ったがそんなことを口に出せるはずもなく「わかりました」と言ってしまい、僕は昼休みしかタバコを吸えないことになってしまった。そのことを武藤さんも知っていたようでした。ある日、おそらく16時ころだったと思います。僕が(タバコ吸いてぇ)と思いながらいつものように自分のデスクで商品の勉強をしていたところ、武藤さんが「わり野手くん!火貸してくれや!」とだけ言い喫煙所に姿を消して行った。(まさか、、、?)と思いながらライターを喫煙所に持っていくと武藤さんはにっこりして「タバコ吸いたかったでしょ?」と言うのだ。いや、かっこよすぎるだろ。あほだろ。ありえんだろ。やり方がおしゃれすぎるだろ。超かっこいい。「ありがとうございます!!!!!」と言い二人でくだらないことを話しながらタバコを吸った記憶があります。

 

 

 

 

よく怒られていた武藤さん。上司、先輩からは無能な社員と思われていたかもしれないあなたですが、僕にとっては唯一無二のヒーローでした。本当にかっこいいです。僕はもう一生あなたに会えないかもしれません。武藤さんにすごくよくしてもらって優しくしてもらったにも関わらず、地元に戻りたいからという理由だけですぐに退社してしまい本当に申し訳ありませんでした。新卒で入社した会社を2ケ月で辞め履歴書に傷をつけるというもったいない行為をしてしまいましたが、武藤さんに出会うことができて本当に良かったです。僕も武藤さんのように怒られても動じない強い大人になります。たとえ、上司や先輩に怒られ嫌われるようになってしまったとしても部下や後輩には必ず優しく、ふざけて、ヘラヘラしながら接します。大事なことを教えて頂きありがとうございます。

 

 

PS.

武藤さんの年齢を知ったときの会話

野「武藤さんておいくつなんですか?」

武「40だよ。こんなに怒られてる40歳他におらんやろwww」

と明るくヘラヘラ話していた。いや、メンタルつよっ!かっこいいーーーーーー!!

 

 

おしまい